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南通経済技術開発区視察

 南通市は上海から揚子江(長江)を遡ること128km、江蘇省の南東部に位置します。面積8544K㎡、人口766万人を擁し、江蘇省内では、蘇州市、南京市、無錫市に次いで第四の経済規模を誇り、上海でもその名前を耳にします。特に南通経済技術開発区は日本企業が多く進出していることもあり、関係者の間でよく知られています。
 南通経済技術開発区は1984年に中央政府の批准により設立され、中国で最初に誕生した14カ所の国家級経済技術開発区の一つです。この開発区の管轄面積は184K㎡、人口30万人に及び、工場エリアのほか、居住エリアや公共施設も同時に整備され、一つの街と言ってよいほどの規模になります。

 当開発区は東が黄海、南が長江に臨み、上海浦東空港まで2時間、上海虹橋空港まで1時間、南通興東空港まで20分という優れた立地から、国内外の投資者から注目され、長江デルタ地域における産業投資のホットエリアとなっています。
 豊富な水資源により産業基盤が強く、電子情報、精密機械、医療ヘルスケアからビッグデータまで多くの産業ブロックが構築され、800社余りの外資系企業(日系企業約200社)を含む2000社が進出しています。
 特に力を入れているのが、医療ヘルスケア産業、精密機械産業、電子情報産業、新素材産業などの誘致ですが、ビッグデータ産業の集積に関しては、開発区内に総合保税区も持つ事の優位性を活かした資材調達のコスト削減や電気代の軽減措置などの魅力により、日本でも有名な阿里巴巴集団(アリババ)も昨年12月に当開発区に進出しています。
 また、この開発区の特徴として、行政もワンストップサービスを推進することで企業の進出を後押ししています。省政府への提出や面会審査などを省き、全ての手続き開発区内で完結することができるのも魅力の一つとなっているようです。

 中国では工業用地を取得することはできず、使用貸借が基本となります。上海市内では土地が逼迫していることから工業用地の使用制限が厳しくなる傾向にあり、以前は50年の使用権を与えられていたものが、近年では20年に短縮されるなど、より厳しい条件を課せられています。その点、南通市においては従来と同じ50年の使用権が与えられ、その後の工場拡張等にも対応しやすいことから上海からの工場移転先としても注目を集めているようです。
 また、当開発区は居住区域としての整備も進めており、昨年12月にはイオンモールもオープンしました。イオンモールは上海近郊の江蘇省・浙江省エリアを重点エリアの一つとして出店を進めており、蘇州市に3カ所、杭州市に1カ所モールを展開しています。南通市内に現在着工中の地下鉄も2022年にはイオンモールと直結される予定であり、更なる商圏の拡大が期待され、開発区全体として発展の勢いを強く感じました。
 当事務所でも県内企業の工場進出や移転に関わる相談に対応するため、開発区等の情報の蓄積も心掛けていきたいと思います。

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